分譲賃貸マンションのトラブル回避!借りる方、借りた方は一度ご確認あれ

分譲賃貸マンションを借りたあなたへ、今一度確認しておいたほうがよいこと。もしくはこれから借りるあなたへ、覚えておいてほしいこと。

私の本業である不動産業の実務経験からリストアップしました。

きちんと理解しないまま入居している方が多い現実があります…

本来は入居前に不動産屋さんから説明を受けるべきことなのですが、仲介する不動産の担当者が経験が浅い場合など、『分譲賃貸マンションを借りるときの注意点』を知らないこともあります。

こんなはずじゃなかった…
契約してから後悔しないよう、参考になれば幸いです。
要注意なものばかりです。

分譲賃貸マンションとは

分譲マンションとは、マンション内の一室それぞれを販売しているマンションのこと。

そのマンションの一室を、所有者(オーナー、大家)が貸しに出しているもの。
これを分譲賃貸マンションといいます。

同じマンション内でも、購入した所有者自身が住んでいる一室もあれば、賃貸として入居している一室もあります。

私も以前、分譲賃貸マンションに住んでいたことがあります。
通常の賃貸アパート、マンションと比較すると以下のようなメリットを感じました。
【分譲賃貸マンションのメリット】
  • 購入者それぞれが資産として持つものなので、そもそも建物がしっかりしている。
  • 管理組合や管理会社が入っているので管理面や設備が充実している
  • 定期的に建物、共用部分に清掃が入っているのできれい

室内と建物・共用部分で管理している会社が異なる

賃貸管理会社と建物管理会社それぞれの連絡先。きちんと把握していますか?

通常のアパートマンションは、大家さんもしくは管理の委託を受けた管理会社が専有部分と共用部分両方を管理します。

しかし、分譲賃貸マンションは専有部分と共用部分を管理している会社が異なります。

専有部分
室内
賃貸管理
エアコンが壊れた。給湯器が壊れたといった場合に連絡する
共用部分
廊下、エントランス、バルコニーなど
建物管理
共用部が壊れている場合に連絡する

例えば、分譲賃貸マンションに入居中、エアコンが壊れた場合は賃貸管理の会社に連絡をしなければなりません。共用部を管理している建物管理の会社に連絡しても修理対応ができないのです。

逆に、廊下の手すりが壊れた、エレベーターが壊れたといった場合に賃貸管理をしている会社では修理対応ができません。

本来、契約の際の重要事項説明の説明内容なのですが、賃貸管理会社、建物管理会社のどちらかを明記していない書類がよくあります。

私が元付けの立場の場合、私が重要事項説明書を作成するため、どちらの管理会社も文面明記しています。

私が客付け仲介の立場の場合は、別の元付け会社が重要事項説明書を作成しますが…どちらかの管理会社の記載がないこともしばしば…

その場合は指摘して追加してもらっています。

駐輪場は登録制。有料となるところがほとんどです

分譲賃貸マンション敷地内に駐輪場があるとしても、勝手に駐輪することはできません。

登録者ごとに駐輪できる区画が決まってたり、駐輪登録料・使用料が掛かることがほとんどです。

自転車!?

あ~空いているところに停めちゃって大丈夫ですよ~

もし、こんな感じで軽く言い放つ不動産屋さんなら気を付けてくださいね。

案内してくれる不動産屋さん皆が皆、経験や知識があるわけではありません。

あなたの生活において自転車が欠かせないものなのであれば、契約前に必ず「駐輪場の空き状況」や「駐輪登録料・使用料」について確認してもらってください。

案内してくれた不動産屋さんに、管理組合や建物管理会社に聞いてもらってください。
ちなみに、建物管理会社は土日、祝日は休み。平日でなければ確認できないことがほとんどです。

入居者は敷地内駐車場の利用ができない場合がある

敷地内に空きている月極駐車場があったとしても、分譲賃貸マンションを借りている入居者は敷地内の駐車場を自分自身で契約できません。

その場合、
  1. 分譲マンションの敷地外で、どこか別の駐車場を探す
  2. 借りている分譲賃貸マンションの大家さんにお願いして、敷地内駐車場の使用契約して借りてもらい、さらにそれを賃貸契約させてもらう。
大家さんがそれを承諾するかどうか…お願いしてみるしかありません。
ちなみに、2の場合、管理規約で賃貸入居者は使用できない場合もあるのでご注意ください。

入居者は占有者登録が必要

※coming soon

マンションの管理規約を守らなければならない

分譲賃貸マンションの契約手続きの際、契約書、重要事項説明書など署名、捺印の取り交わしがあります。

その書類の中で『マンション管理規約』に目を通した記憶はありますか?

もし契約の際に見た覚えがない場合、仲介してくれた不動産屋さんや大家さんに確認してみたほうがよいです。何かことが起きたときに「管理規約なんて知りませんでした」では済みませんから。

入居中は、契約書や重要事項説明の内容を守るのは当然ながら、この『マンション管理規約』の内容も守らなければならないのです。

管理規約は所有者(大家さん、オーナー)だけではなく、借りて住んでいる入居者も守らなければならない項目もあります。

業界に身を置いているものとして感じるのが、賃貸仲介をメイン業務としている不動産屋さんは『マンション管理規約』を軽んじて契約手続きをしているところが多い印象です。

毎月の水道料金は管理組合から請求され、管理組合へ支払いする

本来、自分で使った分の水道料金は、水道局から請求されて振込や口座引き落としなどで支払います。

しかし、稀に水道局ではなく管理組合から水道料金を請求されるマンションがあるのです。

最近の分譲マンションはこのような形態をとっていませんが、1960年代、1970年代などの古めの分譲マンションにみられます。

鍵を管理組合に預ける必要がある

分譲賃貸マンションの鍵1本を管理組合に預けておかなければならない場合が稀にあります。何か有事のときに対応できるように…ということでした。

賃貸契約が終わった後、不動産屋さんもしくは大家さんから鍵を渡されますが、その鍵が2本以上あれば問題はないのです。

1本しか渡されなかった場合は、鍵を複製しておかなければなりません。

賃貸契約の際に、渡される鍵の本数と管理組合に鍵の提出は必要かどうか確認するようにしましょう。

私の経験上、古めの分譲マンションでしかありませんでした。

ペット飼育可能なマンションなのにペットを飼うことができない場合がある。

ウチのお隣さんは子犬を飼っているということは、このマンションってペット飼育できるんだ!?私も飼おうかな〜
ちょっと待った!

あなたの賃貸借契約書の内容はどうなっていますか?

分譲マンション自体がペット飼育可能なのかもしれませんが、もしかしたら賃貸契約上は飼えないかもしれませんよ。

お隣さんがペットを飼うことができる理由は2つあります。
  1. そのマンションの一室を購入して住んでいる人。(賃貸借契約自体なし。)
  2. 賃貸借契約上、ペットの飼育可能となっている。

ペット飼育可能な分譲マンションなら必ずしも「ペットOK」というわけではないのですのでご注意ください。

また、ペットが苦手な方は、内見に行くときにお隣さんがペットを飼っているかどうか、確認しておく必要があります。

しかし、分譲賃貸マンションの場合、案内してくれる不動産屋さんはお隣さんの事情を知らないのが実情です。

こればかりは、お隣さんのインターホン押して直接聞いてみるしかないですよね…

部屋探しの予備知識として覚えて損なし!

これらの事は、よほど引越し経験豊富でなければ、なかなか気付くことではありません。

そういったフォローをするのは、本来不動産屋さんの役目なのですが…
正直、その担当者の経験値や勘の良さ次第になります。

予備知識があれば、不動産屋さんの担当者の「アタリ・ハズレ」によるリスクを減らすことができますので、ぜひ頭の片隅に置いてお部屋探しをしてみてください。

「分譲賃貸マンションのトラブル回避!借りる方、借りた方は一度ご確認あれ」

お部屋探しの参考になればうれしい限りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ABOUT ME
はまぶろ
横浜に住む”はまっこ”です。 街情報、旅行温泉情報、不動産知識、資産運用などを発信する雑記ブログ『はまぶろ』を運営しています。 実際に体験、学び、実践したことが、みなさんの日常に少しでも役に立てるようであればうれしい限りです。 <保有資格> ファイナンシャルプランニング技能士2級(国家資格)/宅地建物取引主任士(国家資格)/賃貸不動産経営管理士/住宅ローンアドバイザー/温泉ソムリエ