家賃保証会社の保証内容で確認すべき5つのこと【大家さん向け】

こちらは、アパート、マンションの家賃保証会社についての「大家さん向け」の記事です。

連帯保証人がいなければ、とりあえず保証会社に入ってもらえば安心なんでしょ?
アパート、マンションの大家さん。

そう思われていないですか?

結構、「保証内容の違い」ありますよ。

不動産会社・管理会社から言われたままの家賃保証会社で本当に大丈夫ですか?

保証内容をしっかり把握していなかったせいで、今後、無駄な出費が発生するかもしれません。

税金やローンの支払いはあるものの、ロクに家賃も上げられない状況で余計な持ち出しは困ったものです。また、民法改正をうけ、連帯保証内容上限の明示化が必要となったため大家さんとしては煩わしさが増すところです。

本業の実務でかかわる大家さんをみていても、保証会社についてあまりご存知ない方が多いと感じます。

また、下手すると不動産営業マンも保証内容の違いを把握していない場合もあります。

特に仲介専門店は「成約数をシビアに追及する」「自社管理や自社保有をしていない(少ない)」という事を考えると、その傾向になりやすいのではないでしょうか。

家賃保証会社の保証内容のどこを見ればいいのか、ポイントを書いています。

手前味噌で恐縮ですが、大家さんはこの記事に目を通しておいて損はないと思います。

こちらの記事が、良好なアパート・マンション経営の一助になればうれしい限りです。

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そもそも「家賃保証会社」って何?

契約者が家賃などの支払いを滞ったときに請求し、代わりに保証してくれる会社です。

賃貸契約において、契約者に連帯保証人をつけることが基本ですが、

  • 連帯保証人の候補となる人が高齢の親御さんしかいない
  • 親戚が遠方にしかいない
  • 誰かに連帯保証人を頼むのが忍びない
  • 大家さんから見て、契約者の勤め先の規模や本人の収入が少し不安
など、入居申し込みの時点でこういったケースも多くみられます。

 

そういう人の申し込みは断ればいい!

こんな声も聞こえてきそうですが…

空室率の多い昨今、全ての大家さんがそういうスタンスで賃貸経営が成り立つわけではありませんので、リスクヘッジとして採用される大家さんも増えています。

ただし、誰でも賃貸保証会社に加入できるわけではなく、審査通過となれば。
という条件があります。

もちろん審査基準については公表されていません。

公表してしまうと審査になりませんからね。

「家賃保証会社」を利用するにはどうすればいいの?

基本的に、不動産会社・管理会社を通して契約者が保証会社に加入する。

つまり、不動産会社と保証会社の業務提携が必要です。                通常、賃貸物件を扱う不動産会社であれば、2~3社と提携をしているはずです。

必ずしも大家さんが指定する保証会社を利用できるわけではありませんが、

A社よりB社を利用してほしい!
この保証内容は絶対に外せない!

など、この記事を読み進めていただければ、最低限のリスクヘッジの方法を知ることができるはずです。

「家賃保証会社」を利用するメリット・デメリットってある?

保証会社を利用する上で、メリットだけでなくデメリットもあります。
ただ、そのデメリットも「何を優先させるか」によってとらえ方も変わってくると思いますので、参考にしてください。

メリット

  • 家賃がきちんと入ってくるという安心感が得られる。
  • 賃貸募集時に「連帯保証人無し」で募集間口が広くなる。
  • 一部保証会社では、毎月家賃をカード払い対応可能。
クレジットカード対応している保証会社はまだ少数ですが、、クレジットカードのマイルやポイントが貯まるので、賃貸募集の際に訴求効果があると思います。

支払毎に1%のポイントが付くクレジットカード場合の例
家賃50,000円の1%=500P×2年(24ヶ月)=12,000円分お得!
家賃120,000の1%=12,000×2年(24ヶ月) = 28,800円分お得!

賃貸の市場において、大手管理会社の管理物件を除くと「家賃をクレジットカード払いができる物件」はまだまだ少ないので、

この物件の毎月の家賃、クレジットカード払いできませんか?

といったお客様の声が、結構あるのです。

デメリット

  • 保証会社の倒産の可能性もゼロではない
  • 契約者に保証料の負担があるため、初期費用の予算が少ない人は予め候補物件から外してしまう
  • 滞納が起きた場合、期間内に賃貸保証会社へ連絡をおこたると保証対象外になることがある

契約金が上がってしまうというマイナス印象が気になる場合、以下のような対策もあります。

  • 礼金を半月分に下げる
  • 家賃を半月分サービスする
  • 更新料を半月分下げる など

どういう契約形態?どういう家賃支払いの流れ?

契約形態は概ね3パターン

  1. 契約者+保証会社+緊急連絡先人
  2. 契約者+保証会社+連帯保証人
  3. 法人+保証会社+法人代表者もしくは入居者

連帯保証人もつけることにより、保証会社としてもリスク減るので、契約者の保証料負担が減額されるケースもあります。

また、「保証会社としてリスクがある契約」と判断された場合は、保証会社から連帯保証人も付けてほしいと指示されることもある。

毎月の家賃支払の流れは概ね3パターン

  1. 保証会社が毎月立替えて大家さんへ振込み
  2. 保証会社から管理会社へ、管理会社から大家さんへ振込み(収納代行の管理契約)
  3. 入居者が大家さんに直接振込みをし、入金のない時に保証会社へ保証請求する
③場合注意点があります。
次の「保証内容でこれだけは確認すべきところ」にその内容を書いていますので、引き続きお読みいただければと思います。

保証内容でこれだけは確認するべき5つのこと

1)保証上限

賃料管理費、その他月額変動費(水道代など)、現状回復違約金、更新料、残留物撤去、保管費用、廃棄費用、明渡訴訟費用その他作業手配、これらはどこまで保証されますか?

2)滞納時の事故報告が必要かまた、報告期限はあるか

これは先ほどの「家賃支払いの流れ」にも関係することです。

支払の流れ3)の「入居者が大家さんに振込みをして、入金のない時に保証会社へ保証請求する」この場合は、「支払い期限から何日以内に事故報告が必要」設定されています。

例)家賃支払い期限から10日以内に、保証会社に事故報告をしなければ免責
もし家賃の支払いがない場合、

「少しだけ待ってあげよう」という「優しい気持ち」は絶対に持たないでください。その「優しい気持ち」のせいで、保証されるはずの家賃が保証されなくなります。

厳しいようですが、支払期日を守らないのはあくまで借主の責任。大家さんは部屋を貸して家賃をいただくビジネスです。そこは割り切りって考えましょう。

3)免責事項はあるか

  1. 滞納時の事故報告漏れ
  2. 生活保護の場合の現状回復費用免責
  3. 夜逃げ、逮捕拘留、死亡案件の免責

4)管理会社変更の時に保証の引き継ぎができるかどうか。

これは見落としがちです!
万が一、管理を頼んでいる管理会社を変更せざるを得なくなった場合。

新しい管理会社に保証内容を引き継げないケースがあります。

その場合は、連帯保証人をつけるか別の保証会社に加入してもらう交渉が必要になります。

尚、新たに保証会社に加入する場合は、別途保証料が掛かります

経験上、大家さんが負担することになることがほとんどです。

入居者からすると、入居前に保証料を払って、さらに入居中に余計な費用が掛かるのは納得しにくいですからね。

5)そもそも任せて大丈夫な保証会社か

家賃を保証してくれる会社が倒産してしまったら元も子もありません。

かといって、会社が潰れるかどうか予見できませんが、少なくとも財務状況が公開されている保証会社の方が安心感があります。資本金や現預金比率、借入金、保証料売上、利益などは確認したほうが良いと思います。

最後に

「家賃保証会社の保証内容で確認すべき5つのこと」ご存知でしたか?

大事なところを大まかにまとめていますが、「不動産会社に任せっきりにしないほうが得策」と思えたのではないでしょうか?

お持ちの物件が、借上げ・サブリースにより「不動産会社が貸主」であればそこまで気にすることではありません。

この場合、別のところを気にしなければならないということは、またの機会に…
何か起きた場合、損害を受けるのは「貸主である大家さん」です。

不動産会社は契約手続において、よほどの不備がなければその損害を補填してくれることはありません。

是非、リスクヘッジとの一環として、保証内容を確認してみることをオススメします。

入居が決まらないその物件、こんな目に…?
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はまぶろ
横浜に住む”はまっこ”です。 街情報、旅行温泉情報、不動産知識、資産運用などを発信する雑記ブログ『はまぶろ』を運営しています。 実際に体験、学び、実践したことが、みなさんの日常に少しでも役に立てるようであればうれしい限りです。 <保有資格> ファイナンシャルプランニング技能士2級(国家資格)/宅地建物取引主任士(国家資格)/賃貸不動産経営管理士/住宅ローンアドバイザー/温泉ソムリエ